稲門会での講演レポート

はじめに
2026年5月7日、早稲田大学の卒業生が集まる「稲門会」にお招きいただき、eスポーツをテーマにした講演を行いました。
稲門会は、早稲田大学OB・OGが集う場です。ビジネスや社会の第一線で活躍するみなさまが参加されており、15名程度の参加者ながらも活発な対話が生まれる、内容の濃い場でした。
今回の講演では、eスポーツ業界の現状をお伝えするだけでなく、「企業としてeスポーツに取り組む意味は何か」「実際にどう始めればよいか」「そして、なぜうまくいかないケースが多いのか」という、より実践的なテーマについてもお話ししました。
この記事では、当日の内容を振り返りながら、弊社ソフタス自身の取り組みも交えてご紹介します。
eスポーツ業界の現状
講演ではまず、「そもそもeスポーツとは何か」という定義からお話しました。eスポーツとは、競技性を持たせたゲームのことを指します。単に「ゲームをする」こととは異なり、ルールのある競技として成立しており、プロリーグや国際大会も数多く開催されています。
こうした競技としての側面が整ってきたことで、eスポーツ市場は近年大きく拡大しています。競技人口・視聴者数ともに年々増加しており、とくに10代・20代の若年層を中心に広く親しまれています。「ゲームは子どものもの」というイメージを持たれる方もいますが、現在のeスポーツは若い世代にとってサッカーや野球と同じように当たり前の文化になっています。
この世代がこれから続々と社会に出てくることを考えると、eスポーツへの理解は企業にとっても他人事ではありません。採用や組織づくりの観点から、eスポーツをどう捉えるかが少しずつ問われるようになってきています。
企業がeスポーツに取り組む意義——弊社が実感した4つの変化
次に、企業がeスポーツに関わる意義についてお話しました。
弊社ソフタスは、社内でeスポーツ活動を続けてきた中で、組織にさまざまな変化が生まれることを実感しています。講演では、そこから得た4つの気づきをお伝えしました。
・1つ目は、採用への影響
「eスポーツに取り組んでいる会社」という情報を発信するようになってから、会社説明会への応募や、応募者との会話に変化が出てきました。とくに若い世代にとって、ゲームやeスポーツへの関心は当たり前のものになっており、「eスポーツを会社として応援している」という姿勢は、企業選びの一つの判断材料になっているようです。
・2つ目は、離職率・定着率への影響
業務以外に社員が楽しめる場があることで、職場に対する愛着やモチベーションが変わります。「この会社にいると楽しい」という感覚は、数字では測りにくいものの、日常の雰囲気の変化として社内で感じ取っています。
・3つ目は、人材育成の可能性
eスポーツはチーム競技です。プレイを通じて、コミュニケーション能力・問題解決力・状況判断力などのスキルが自然に鍛えられます。業務とは異なる形でこれらのスキルが育まれることを、活動を通じて実感しています。
・4つ目は、組織の横断的なつながり
普段は部署や役職の壁で交わりにくい社員同士が、eスポーツのチームとして一緒に動くことで、自然と会話が生まれます。「あの人とeスポーツで話すようになってから、仕事でも相談しやすくなった」という声が社内から上がるようになりました。
ただし、こうした効果を実感するには、活動をただ「ゲーム好きに任せる」だけでは難しいのも事実です。最初こそ盛り上がっても、企画や調整の負担が増えるにつれて尻すぼみになってしまうケースは少なくありません。弊社でも活動の初期は試行錯誤がありましたが、eスポーツ活動を「組織や採用にどうつなげるか」という視点を持って動けるメンバーがいたことで、継続につながってきたと感じています。
弊社の取り組み——ソフタスeスポーツ部の活動
講演では、弊社ソフタス自身の取り組みについてもご紹介しました。
弊社には「ソフタスeスポーツ部」があり、社員が自発的にチームを組んで活動しています。直近では2026年4月に第5回となるeスポーツイベントを開催し、グループ企業含めた社内のプレイヤーが集まる賑やかな場になりました。
活動は社内大会だけではなく月次の練習会や交流イベントを継続的に行うことで、部署を超えた社員同士のつながりが生まれています。「仕事上は接点がなかった社員と、eスポーツを通じて話すようになった」という声も社内から上がっています。
また、こうした活動を採用・広報にも活かしています。「eスポーツに本気で取り組む会社」として発信することで、これまでリーチしにくかった層への認知拡大にもつながっています。
講演を終えて
稲門会での講演後、参加者の方々からいくつかご質問をいただきました。
「初期費用はどのくらいかかるのか」「プロチームのスポンサーをしていないと意味がないのでは」「自分たちだけでも始められそう」といった声があり、eスポーツへの関心はありながらも、実際に動き出すまでのイメージがまだ持ちにくい方が多いという印象を受けました。
いずれも、eスポーツを検討する企業から実際によく出る疑問です。「大きな投資が必要なのでは」「プロと関わらないと意味がないのでは」という先入観を持たれている方は多く、そのハードルを下げることも今回の講演で意識していた点でした。
いただいた質問への回答は、別の記事で改めてご紹介する予定です。ぜひそちらもご覧ください。
今後に向けて
今回の稲門会での講演を通じて、eスポーツへの関心が経営者・ビジネスパーソン層にも広がっていることを改めて実感しました。
弊社としては、今後も社内eスポーツ活動をさらに活性化させていく予定です。チーム内の交流を深めながら、社外のイベントや大会への参加も継続していきます。また、こうした講演や勉強会を通じた情報発信も、できる限り続けていきたいと考えています。
まとめ
今回の稲門会での講演では、eスポーツ業界の現状・企業が取り組む4つの意義・よくある失敗事例と成功のカギ・弊社ソフタス自身の活動についてお話ししました。
eスポーツやゲームは、若手社員の気を引くための手段だと思われがちです。しかし実際には、採用の応募数や内定承諾率の変化、社員の定着率や職場の雰囲気づくりなど、企業の経営課題に直接関わる場面で活用できる可能性があります。「ゲームが好きな人のための話」ではなく、「組織をどうしたいか」を考えるうえでの選択肢の一つとして、eスポーツを捉えていただけると嬉しいです。
弊社の経験が、そのきっかけに少しでもなれれば幸いです。今後もeスポーツ関連の活動については、このHPやSNSで発信していきますので、引き続きご注目ください。
